山花典之先生ファン同人誌「ひらり.3」より掲載。
はじめに…
このコーナーでは山崎円花(弟)が当時リアルタイムで連載を読んでいたとき(高校生)の感想と
現在読み返してみて思ったことなどをブレンドして完全に自分の世界で書いていますので、その点
ご了承ください。
第1話 ・ゲロゲロ!?
平成2年11月15日発売ヤングジャンプ51号、この雑誌の巻頭カラーを飾ったのが
山崎花子(当時)の新連載「かるてっと」でした。
「CHI・GU・HA・GU」の山崎花子が帰ってきた!と全国のファンが待ち望んだ第1話、
毎週連載で巻頭カラーと初物づくしで嬉しさと不安の混じるスタートでした。
導入部は、サチ子ちゃんと卓也くんの会話から始まり直也くんがゆかりさんに見とれる
ところで4人が早くも出そろいます。(ゆかりさんの初登場シーンは3段ブチ抜き)
卓也くんのペット、ピョン吉(かえる)がゆかりさんの服の中に入ってしまい、直也くんに
取ってもらおうとするところの二人の会話がなかなかおかしくていいですね、結局自分で
服をおろしてピョン吉をはらってしまうのですが…
このシーンのおかげで「山花まんがでは、第1話でヒロインが下着を見せる伝説」の
仮説がうち立てられたわけです。
第1話でヒロインが下着を見せる伝説 「CHI・GU・HA・GU」 みるくちゃん ・ 「かるてっと」 ゆかりさん 「E・KU・BO・!」 奈々ちゃん ・ 「妹」「妹〜あかね〜」あかねちゃん あてはまらないのは 「グラス・エイジ」美樹ちゃん、「夢で逢えたら」渚さん 「グラス・エイジ」で途切れたかと思われたが「妹」で蘇った(^^;) |
3人のお母さんとゆかりさんのお父さんが再婚相手だったということが分かり、刺激的な
出逢いをした第1話は終わり。
笑いあり、やさしいHありと開始としては上々でしょう、しかし「CHI・GU・HA・GU」の
濃い1話1話を体験してきた読者には少し物足りないかな…
今回の名ぜりふは「行為とかいう単語を使わないでよ!やらしいわね!」(ゆかりさん)に決定
第2話 ・引越しサバイバル
冒頭のゆかりさん電話シーンで両親が新婚旅行へ行った話をしています、ここである程度の
今後のストーリー予測は立つ訳なのですが、それは置いておいて…。
早速四人での生活が始まってしまうわけです。
ゆかりさんの虫嫌いが軸で話が進みますが、それにしても卓也くんのネーミングセンスはすごいかも…
卓也くんのペット ピョン吉(カエル) ウラシマ(カメ) 信長(カブト虫) 小次郎(クワガタ) 木村(トカゲ) 他、多数 |
今回の名ぜりふは「ステレオだ ケンウッドのステレオ…」(直也くん)
第3話 ・危険なふたり
ゆかりさんは料理が下手、子供達の「お姉ちゃん」と呼べる?問題、義姉が気になる直也くんと
今後の展開にいろいろ使えそうなネタ満載の回。
それにしてもサっちゃんが寝てるのは二段ベッドの下じゃあ…
今回の名ぜりふは「立派だわ…」(ゆかりさん)ですね。
第4話 ・気になるお義姉さん
直也くんによる朝のどたばたシーンとデート(笑)のどぎまぎシーンだけなので異常に短く感じる回、
ちゃんと18Pあるんですけどね。
ゆかりさんの寝相素晴らしすぎ(笑)
今回の名ぜりふは「お前 まだ… 小学4年生だったよなぁ…」(直也くん)
第5話 ・プールへ行こう
今回はセンター2色カラーでした。
プールへ遊びに行くことになった4人、出かける前の直也VSサチ子、卓也の言い合いシーンが
やはり面白いです。卓也くんの「MEEN!」の浮き輪がポイント高いですね。
サチ子ちゃんのカナヅチ話、卓也くんはやっぱり虫を連れてきちゃったりして、この姉弟のシーンは
どれも可愛いです。
今回の名ぜりふは「わかってる 何も言わないで わかってるから…」(サチ子ちゃん)
第6話 ・DESTINY
問題の第6話です、サチ子ちゃんの飛行機の思い出、元気の無い信長(カブト虫)から直也くんが
飛行機事故のニュースを見るシーンまで一気に描かれています。
考えてみれば、この展開は必然なのですが(扉絵の感じもそうですし)いきなりだったので戸惑って
しまいました、最後直也くんが走り出すシーンで終えるので次回はどうなる?、という感じも残していた
のですが…(しかし、直也くんは一体どこへ行くつもりだったのでしょうか?)
話は別になりますが、ゆかりさんの年齢が二十歳とわかりましたね。
今回の名ぜりふは「キョンキョンが歌ってる後ろで虫達が踊るのよ うなされる日もあるけど」
(ゆかりさん)ですね。
第7話 ・行 方
両親があった事故のシーンや、事故が起きてからの話を描かずにいきなりお葬式から
はじまります、この辺りを深く描いて欲しい気もするのですが、週刊連載という状況を考えると
これが正しかったのでしょう。
しかし、両親はかわいそうですね、ほとんど出番無しで亡ってしまいました。
直也くんと親族の方の今後について会話シーンなど辛いシーンが続きますが、一番印象に
残っているのはサチ子ちゃんが壁をけっているシーンですね。
第8話 ・揺れる心
この回は卓也くんが捨てようとしている虫をゆかりさんが戻すシーン!ここで泣きました。
もう、それだけ(泣)
第9話 ・ねがい
扉の影絵がいいですね、本当はこういうシーンを見たかったのですが…
じたばたする卓也くんの関節が可愛いです(おい)
卓也くんの決心によりゆかりさんの家で暮らすことが決まりました。
第10話 ・新しい出発
4人で生活することを決めて新たなスタートです、麗美さんや銀ちゃんと新キャラクターも
登場していよいよストーリーが動きだしたなという感じです。
サチ子ちゃんに注意する直也くん…この頃はまだかっこよかったのにねぇ
コミックスはここまでが1巻です。
今回の名ぜりふは「でっかい胸してんねー あの女ァ」(サっちゃん)
第11話 ・遅れてきた小包
今回最大の見どころは「史上最大の宣伝シーン」でしょうか(笑)
あれだけ堂々と宣伝されると気持ちいいですね。
銀ちゃんがストーリーに絡むのかなぁと思いきや、お父さん、お母さんの送った小包が
届いたことから、この後の展開は小包とサっちゃんを中心に進みます。
今回の名ぜりふは「古本に出さないでよね皆ァ」(サっちゃん(山崎花子?))
第12話 ・Message
小包の中身を幼い二人に見せるのかどうか悩むゆかりさんと直也くんにさらに悩みが…、
和子おばさんのサっちゃん強奪作戦が新たな波紋を起こします。
和子おばさんって名前は「CHI・GU・HA・GU」にも出て来るんですよね(コミックス3巻
26話参照・姿は登場していませんが)あの時も余計なことに家政婦・石塚を勝手に派遣
していたりするので、ひっとしたら同一人物なのでは…と、私は思っているのですが…
ちなみにこの話、Y・J掲載時に一部でサブタイトルが「Massage」になっていたのがあり
まして、当時「なんで、今回の話でマッサージなんだろう?」と思わず考えてしまいました。
第13話 ・10歳の決意
サっちゃんが家を出ていく決意をしてしまいます、ちょっと急な展開かとも思いましたが。
2巻が始まってから今回まで毎回サっちゃんと卓也くんの仲良いシーンを入れてきたのは
こういうことなのね。
今回最大の疑問は「はたして卓也くんは手紙の漢字が読めたのか?」につきると思うの
ですが…、う〜ん、あのやさしいお母さんのことですから、きっと「ルビ」をふってあるのでしょう、
あんまりこういうことばかり言っても山花先生に怒られてしまうので止めておきましょう。
今回の名ぜりふは「うほほーい」(アンパンのじいちゃん)ですね。
第14話 ・「サっちゃん」
そして家を出るサっちゃん、卓也くんへ話しかけたり、ゆかりさんに「だいっ嫌い」と言ったり
するシーンがあります。
…が、地味ですね今回。
第15話 ・かごの鳥
和子おばさん家のサっちゃんのお部屋はぬいぐるみだらけ、しかし、MEEN!ねこや
ヒョウタンツギのぬいぐるみなんてどこからみつけてきたのでしょう?
和子おばさんクビ飛んでるし
ゆかりさんとサっちゃんの会話シーンでのアイスがいい小道具になっていますね。
会話のテンポはどうかと思いますが
今回の名ぜりふは「こんにちは おばちゃん」(卓也くん)ですね。
第16話 ・HOME
今回の扉ページいいですよね。
前回のゆかりさんに続いて、直也くん、卓也くんと訪ねてきてサチ子ちゃんを説得します。
そして…(言いたくないけど…ツッこみ、サっちゃんドアの閉め方が逆〜!)
最後、サっちゃんが「ゆかりさんのお古」を着て帰ってくるのがなんといってもいいシーンなの
ですが、あの服が出たのは週刊連載でいうところの約2ヶ月前、憶えている読者は少なかった
のかなぁ…
これで両親が亡くなったことからの混乱は一段落して落ち着きます。
そして次回からが「かるてっと」もう一つのテーマが始まります…
第17話 ・思春期について
と、いうことで今回から「おかしく」なります(笑)
いきなりですが、今回の名ぜりふは「ゆかりさんと一緒に お風呂に入りたい!!」(直也くん)
ですね、しかし、ゆかりさん…2年生と一緒にお風呂は…どうでしょうか。
てな訳で、卓也くんがうらやましいという話でした。(それだけかい!)
第18話 ・義弟である前に
扉ページは2色カラーでした。
夢の中とはいえ、タランチュラ採集で喜ぶ卓也くんはやはり凄いなぁ…
さて、直也くんの思春期に悩むゆかりさん、「女子高〜女子短大と男に免疫の無い」と数年後
どこかで聞くような設定だったんですよね。
それまで「弟」としてしか見ていなかったのに、「男」として見たときにこういう状態になって
しまいました。
今回の名ぜりふは「ありがとう 卓也…」(直也くん)
第19話 ・カレーライスScandal
サチ子ちゃんの読んだ「りぼん」の占いコーナーでラッキーは11とカレーライスと言われた直也くん、
早速デパート11階のカレー屋さんで桜庭さんと運命の出会い(笑)をします、第1話と同じ展開を
持っていき、さらにはゆかりさんの11時のカレーライス。こういう話大好きです。
桜庭さんの着ているカレー屋さんの制服可愛かったですね〜、ちなみに服の中に入ったのは
トカゲの木村、うらやましいぞ木村(笑)
今回の名ぜりふは「明るい娘さんね」(サチ子ちゃん)と「卓也の飼っている物は皆 そこへ行くな…」
(直也くん)ですね。
第20話 ・恋愛のススメ
いきなり銀ちゃんが玉砕します(笑)
そして、伝説の「砂サラサラ」シーンが出ますね、これは後々のマスオくんに引き継がれます。
さらにたたみ込むように山花まんが史上最低のシーン!(笑)銀ちゃんがゆかりさんまくらを作り
「んおおおお ゆかりぃぃぃ!!」が登場します。こりゃひどい(笑)
翌日、直也くん登校シーン、行きの電車はゆかりさんと密着、帰りの電車は桜庭さんと、お〜い
直也くんうらやましいぞ〜
電車シーンはいろんな発見があって楽しいですね、最寄り駅が阿佐ヶ谷駅と判明したり、おじさんが
遠藤周作さんの本を読んでいたり、でも…ラッシュ時の忍者はいったい何者なんでしょうか?
桜庭さんの告白シーンで2巻は終わります。
なんか2巻って「うらやましい」とばっかり言っていたような…(笑)
第21話 ・好きな人
いよいよ3巻突入です、これで最後ですね。
桜庭さんと仲良くなっていく直也くんだけでなく、「お姉さん」と呼べないサチ子ちゃんと今後への
布石もある回です。
…ゆかりさん、タオル1枚で歩いちゃあいけないよ…
今回の名ぜりふは「拾ったのをまきちらすなよ!!」(直也くん)
第22話 ・NAOYAの受験
桜庭さんの名前が「智絵理」ちゃんであることが判ります、チェリーか…う〜ん食べちゃいたいぜ(おい)
直也くんと同じO大学を受けることになって、はりきる智絵里ちゃん、直接ゆかりさんに宣戦布告(?)
までします。
ちなみに直也くんが受験した大学、学部は…
A大 法学
Y大 法学
O大 政経
A大 政経
N大 法学
この話を期に山花まんがの大学名は必ずシンプルな名前が並びます。
今回の名ぜりふは「行くわよ もちろん!! 親友じゃない はってでも行くわ」(智絵理ちゃん)
第23話 ・贈る言葉
と、いう訳でお約束通り次々に大学を落ちていく直也くん。
1巻の頃は優秀だったのにねぇ…
直也くんの模擬テスト結果(第6話参照) 合格確率 W大学 80% A大学 90% J大学 100% なんでこんなことになって しまったのか…、 まぁ原因はわかっているんですけどね。 |
家に帰るに帰れなくなり銀ちゃんの部屋に行く直也くん、どうやら「南極ゆかり号」がお気に入りのようです。
なんとかO大に合格した直也くん、ゆかりさんからとっても素敵な「贈る言葉」をもらっちゃいました(笑)
今回の名ぜりふは「いいなー あいつ」(通行人2名)
第24話 ・マジカル チェリーピンク
一部に絶大な人気を誇る(?)水原リコちゃん登場です!いきなり卓也くん食べちゃうし(笑)
それ以外にも ・「トゲのあるふきだし」 ・同類兄弟 ・大人になる卓也くん と、山花まんが
テイスト一杯の楽しい回ですね、それにしてもこんなに分かりやすい目撃シーンもないよなぁ。
…そういえば、井の頭公園ってカップルに縁起が悪いんじゃあ、まっいいか…
今回の名ぜりふは「私達の恋路の邪魔しないで下さいね」(リコちゃん)
第25話 ・涙
やっぱり山花先生はヤキモチを焼いた女性を描くのが本〜当〜にうまいですね。
話の筋には関係ないですが、問題の食事シーンです、山花先生最大の弱点「右と左が
分からなくなる病」のため、サチ子ちゃんのはしを持っている手が右→左→右→左→右と
次々変わっていきます。こりゃ、わざとやっていると思われても仕方ないですよ。
今回の名ぜりふは「や…やだなぁ〜からかってェ!! はへはへはへはへ」(直也&卓也)
あと「今日だよ」(卓也くん)
ついにゆかりさんを泣かしてしまった直也くん、一体この後どうなるの?
第26話 ・Feeling People
ゆかりさんと直也くんの口げんかシーンが凄いです!「かるてっと」とは思えないほど
ふきだしが飛び交っています。
銀ちゃんの職業はペンキ屋さんだったんですね、同類兄弟とのカラミは絶品です。
告白できないシーンは山花まんがの十八番です、今回もばっちりでした。
今回の名ぜりふは「次は僕の番だ…」(卓也くん)
第27話 ・シネマ
直也くん、智絵理ちゃんの通うO大学、数年後「グラス・エイジ」の隆、美樹も通うことになる
学校です。(だって校門がまったく同じだし)
銀ちゃんの6コマまんがが愉快。
ラストで直也くんが観ていたビデオ、映画で良かったね…、大学生になったことだし…って
とんでもないの借りてたらどうなっていたんでしょう(悪)
で、そのビデオのせりふをローマ字読みすると…
「ベタを塗っておくれない 背景の処理はどうします?」
「まかせるから適当に あー…なんかいいことないかなぁ〜!」
こんなこと書くなんてどうしたの先生?
今回の名ぜりふは「次は僕の番だ…」(卓也くん)(2度目の授賞!(笑))
第28話 ・お姉さん
今回の名ぜりふは「おねェ〜〜〜さん」ということで父母会を伝えるシーンが可愛いですよね。
卓也くんはともかく、サっちゃんってまんがの定石通りどんどん小さくなっていきましたね、
実際は5年生になったんですけど。
サチ子ちゃんの教室後ろの習字「希望」の中に1枚「絶望」が…
こんなこと書くなんてどうしたの先生?
第29話 ・男と女
扉ページY・J掲載時は小さなカットで良い感じだったのですが、コミックスでは拡大されて
しまいました。
「お前が行きたがる動物園や遊園地は描くのが面倒なんだよアシスタントの皆さんが泣き
出してしまう」 こんなこと書くなんてどうしたの先生?
と、いうことで卓也くんがとどめの一言
「集英社から連載打ち切りですって」(泣)
…すごいですよねぇ、打ち切り発表しちゃうんだもんなぁ…
私の通っていた学校のクラスでは「終わるの?」論争が起きましたよ。
お相手がいなくてちょっとさみしいサっちゃんの回でもあります。
第30話 ・かるてっと
ついに最終回です、なんというかもうここまで来ると「読んでください」と言うしかありません。
…もし「かるてっと」を読んでいないのにこの文を読んでしまった人(いるのか?)や、昔読んだ
けどそんなシーンあったっけ?という方はだまされたと思って一度読んでみて下さい。
山花先生ファンのあなたならきっと楽しく読めるはずです。
そして…「続きが読みたい〜」とのたうち回ることでしょう(笑)
各巻末読み切りも読み応えありますし、ぜひ一度どうぞ!
それでは!
「ただいまー!!」
お し ま い
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